
小児の近視の現状
近年、子どもの近視は急速に増加しています。令和5年のデータでは、裸眼視力1.0未満の割合は小学生で約37%、中学生で約61%、高校生で約68%にのぼります。2050年には世界人口の約半数が近視になるとも予測されており、子どもの近視対策は世界的な課題となっています。
引用:令和5年度学校保健統計(学校保健統計調査の結果)
https://www.mext.go.jp/content/20241127-mxt_chousa02-000038854_1.pdf
小児の近視進行を放置するリスク
小児の近視は、眼軸長(目の前後の長さ)が伸びることで進行します。一度伸びた眼軸長はもとに戻らないため、進行が始まった早い段階で対策を講じることが重要です。近視が強くなるほど、将来的に緑内障や網膜剥離などの眼病リスクが高まることも知られています。
当院では「Myopia Calculator」を用いて、将来的な近視の進行予測や、治療によってどの程度進行を抑えられるかのシミュレーションが可能です。お子さまの状態に合わせた治療方針をご提案します。
低濃度アトロピン点眼
低濃度アトロピン点眼は、近視の進行を抑える効果があるとされる点眼薬です。シンガポールをはじめ、アジア各国で広く用いられており、近視抑制治療の選択肢として注目されています。1日1回就寝前に点眼するだけで継続しやすく、お子さまへの負担が少ない治療法です。
なお、低濃度アトロピン点眼は選定療養となるため、診察代や検査代は保険適用ですが、薬剤費は全額自己負担です。治療の適応については、診察時に詳しくご説明します。
低濃度アトロピン点眼のメリット・デメリット
メリット
- 1日1回就寝前の点眼だけで継続しやすく、お子さまへの負担が少ない
- 近視の進行を抑える効果が報告されている
- 眼鏡やコンタクトレンズとの併用が可能
- 点眼後に就寝するため、日中の生活への影響が出にくい
デメリット
- あくまで進行を「抑える」治療であり、効果には個人差がある
- 点眼後に一時的なまぶしさや手元の見えにくさを感じる場合がある
- 一部の方にアレルギー性結膜炎が生じることがあり治療の継続が難しくなる
- 選定療養のため薬剤費用は全額自己負担となる
治療の流れ
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初診・適応の確認
視力検査や眼軸長の測定など、目の状態を詳しく確認します。お子さまの近視の程度や進行状況をもとに、治療の適応かどうかを判断します。
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治療開始・点眼指導
治療が適応と判断された場合、点眼薬を処方します。正しい点眼方法についても丁寧にご説明します。点眼は1日1回、就寝前に1滴です。
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定期検診
治療の効果を確認するため、定期的な通院が必要です。視力や眼軸長の変化を継続的に確認しながら、治療方針を調整していきます。
近視進行抑制治療の費用
| 項目 | 費用目安(税込) |
|---|---|
| 初回1ヶ月分 | 4,380円 |
| 2回目2ヶ月分 | 8,760円 |
| 3回目3ヶ月分 | 13,140円 |
※診察代や検査代は保険適用となります。
近視抑制治療のよくあるご質問
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何歳から治療を始められますか?
低濃度アトロピン点眼は5歳以上を対象としています。近視の進行が速い時期に早めに対策を始めることが、将来の眼病リスクを抑えるうえで大切です。まずはご相談ください。
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治療をやめると近視が急に進みますか?
治療を中止した後に近視が急激に進行する「リバウンド」は、低濃度アトロピン点眼ではほとんどないとされています。ただし、治療をやめると抑制効果はなくなります。詳しくは診察
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費用はどのくらいかかりますか?
近視抑制治療は選定療養となるため、診察代や検査代は保険適用ですが、点眼薬は自費となります。費用の詳細については診察時にご案内します。
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眼鏡やコンタクトレンズとの併用はできますか?
眼鏡やコンタクトレンズを使用しながら治療を行うことは可能です。現在使用中の眼鏡・コンタクトレンズがある場合は、診察時にお知らせください。
